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一期一会

Wikipediaで調べてみると・・・、

一期一会(いちごいちえ)】とは、茶道に由来することわざ。『あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう』と言う意味の、千利休の茶道の筆頭の心得である。平たく言えば、これからも何度でも会うことはあるだろうが、もしかしたら二度とは会えないかもしれないという覚悟で人には接しなさい、ということである。

先日、ある居酒屋で体験した出来事を一つ。その店は細長い建物で、10mを超す長~いカウンターだけの客席であった。18時頃、私は友人と2人で店内に入った。そのとき既に40歳くらいの1人の女性客が長いカウンターのど真ん中に一人座っていた。そこは店主の真ん前だ。私達はカウンターの一番端に通された。ほどよくして、一人の男性客が入ってきた。30歳後半くらいの年齢だろうか・・・?店主の愛想の良い掛け声と同時に「こちらへどうぞ!」と指し示した席は、女性一人客の隣の席。それを横目で見ていた私は思わず目を丸くした!このお一人様同士の二人が、まるでスポットライトを浴びた恋人同士のような感じになって映ったのだ。私達はカウンターの隅なので“この舞台”には関係ない距離である。同時に他人事ながら、とてもドキドキしてしまった。「この二人、きっと気まずいだろうなぁ~。」と考えながら、当の本人達を横目で見ると、やはりモジモジしている。 さあ、どうなる?

店主が口を開いた。「“一期一会”と申します。せっかくお二人が隣同士になったのですから今宵は仲良く楽しく行きましょう!」あまりにもストレートな言葉だった。だが、この正面からストレートに伝えた言葉によって二人の距離は一瞬にしてぐ~んと縮まった。そして、二人の表情は和らぎ笑顔で会話が自然に始まっていた。店主は料理を作りながら、ニコリと表情を浮かべ時折、二人の会話に入り込んで場を盛り上げていた。「今日は良い魚が入っています。一人で一匹は多いので、お二人いらっしゃるから半分ずつ分けましょうか?どの魚にしましょうかね?」一人で来てたら注文しない魚も、二人の縁がきっかけで食べることができますよ!という、店主のやさしい配慮。“隣同士になって良かった!”と思わせる「技」のようであった。「なんだか、いい光景だなぁ~」と感じ、私までもが気分が良くなってきた。そのあと、満席状態になり私は帰ろうとした。気になる二人をチラッと見た。

すると、びっくりするくらいの“満面の笑み”が二人を包んでいたのであった。

2013年10月15日 太田 秀和

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