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お知らせ

社長メッセージ

売り切る力

江戸時代の商人には「始末、算用、才覚」と言う商売の原則に関する言葉があったそうです。

まず「始末」=節約によって出費を防ぐ、今で言うコスト管理のことです。節約しよう!との意識がないと「自分のものでないから…」「お店の経費だから…」的な発想になりがちです。毎日使ってる電気・ガス・水道代をはじめ、洗剤・ラップ等の消耗品、調理器具、食材の切れ端に至るまで…、江戸時代に今のような便利な物は無かったはずですが、その時代にも、すべて“お金”という感覚を決して忘れてはいけないという教えが根付いていました。商人には「節約できるところは徹底して節約する」と言うことが浸透していたのです。

次に「算用」=原価と売値を管理することです。商売は儲かるかどうかを計算する必要があります。適正な売価と適正な原価。荒稼ぎするような売値ではなく、正しい売値。ケチるのではなく、無駄を省く努力や工夫して抑えた原価。正しい価格で仕入れ相手にも儲けさせ、節約して自分も利益を出せるように知恵を絞るのが商売人だと説いています。

最後に「才覚」=どこに目をつけて商売をするのか?今風に難しく言えば戦略的思考ということ。これは儲けだけに翻弄するのではなく、斬新な発想や工夫や努力によって良い商機を得ることです。結局、「始末、算用、才覚」とは「計画を立て、それを実行し、管理する」という意味を持っています。これは売り始めたのなら、残さず売り切れ!という「計画=実行」の重要性を訴えています。

ユニクロの柳井社長は「利益は売れるから出るのでなく、売り切り、残さないから出るのだ」と教えています。この「残さない力=売り切る力」は、毎日の営業の積み重ねで身につけ、磨き上げて行かなくてはならないのです。過去、「売る力」だけに目が行き、「売り切る力」を身につけて来なかった為に大量の残在庫を抱えて消えて行ったお店は多く存在します。ことわざの「魚は頭から腐る」を言い換えて、「お店は在庫から腐る」と言われます。ニトリやユニクロのように自社製造小売業は返品できません。従って売れ残ってしまう損失は自分達が背負う。だから売り切るための戦略や計画にもの凄くこだわり続けているのです。

飲食店も同様で、賞味期限が大丈夫だから…等の理由で翌日に回しては売る力が養えません。お弁当販売は勿論のこと、店内に於いても『今日の仕込んだものは今日売り切る!』の気構えで「売り切る力」にこだわっていきましょう!

ようやく春の兆しが感じられ、人出が増えてきました。飲食店は、いよいよこれからが正念場です。この2年間、コロナで苦しんだ分を取り戻すために、みんなで知恵を絞り、工夫を重ね売り切っていきましょう!

2022年3月15日太田 秀和

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