ポジティブ・シェアリング(ポジシェア)
皆さんは、誰かから「ありがとう」と言われて嬉しかった経験や、「頑張っているね」と声を掛けられて元気が出た経験はないでしょうか。ほんの一言でも、気持ちが軽くなったり、もう少し頑張ってみようと思えたりすることがあります。
私は、お店をより良くしていくために、そんな前向きな言葉や気持ちをみんなで共有することがとても大切だと考えています。そのことを「ポジティブ・シェアリング」、略して「ポジシェア」と呼びます。ポジシェアと言っても、特別なことではありません。お客様からいただいた嬉しい言葉を共有すること。仲間の良い行動に気付いて伝えること。助けてもらった時に感謝を伝えること。成長した姿を見つけて声を掛けること。そんな日常の小さなやり取りのことです。
私たちの仕事は、料理を通してお客様に喜んでいただく仕事です。しかし、そのためにはまず、一緒に働く仲間同士が気持ちよく働ける環境が大切です。忙しい中では、どうしても課題や改善点に目が向きがちですが、実際には、私たちの周りには良い行動がたくさんあります。忙しい時間帯にさりげなくフォローしてくれた仲間。お客様のためにひと工夫してくれたスタッフ。笑顔で接客し、お客様から感謝された出来事。そんな素敵な場面は毎日のように生まれています。
ところが、人は良いことよりも悪いことの方が記憶に残りやすいと言われています。だからこそ、意識して良いことを見つけ、言葉にして伝えることが大切なのだと思います。「ありがとう」「助かりました」たったそれだけの言葉でも、言われた人は嬉しいものです。そして、その言葉を聞いた周りの人の気持ちまで明るくなります。職場の雰囲気というものは、日々交わされる言葉や表情、そしてお互いを思いやる気持ちの積み重ねによって作られていくものだと思います。
誰かを褒めることが上手な人や、感謝を言葉にできる人が増えるほど、働きやすい職場になっていくと感じています。そうした温かい空気は必ずお客様にも伝わります。お客様がまた来たいと思うお店には人の温かさがあり、スタッフ同士の良い関係があり、その土台になるのが日々のポジシェアなのだと思います。
「ありがとう」の言葉がみんなを元気にし、その笑顔がまたみんなを元気にする。そんな温かい循環が生まれる職場は、働く私たちにとっても、お客様にとっても居心地の良いお店になっていくはずです。
たくさんの「ありがとう」という自然に湧き出る「ポジシェア」が飛び交うお店を一緒につくっていきましょう。
2026年8月14日太田 秀和