黄金比率を変えてみた!
食べ進めると、ほどよいタイミングで口に入ってくるはずのピ-ナッツが、どんどん口を占領する柿ピー。シウマイ弁当なのに、どっちが主役かわからないほどタケノコの煮物がぎっしり。足は2本なのに、3枚1組で売っている靴下。人気を集めるこれらの商品。なんか比率がおかしくない?・・・。
日経新聞の記事に「黄金比率を変えてみた!」と変わったタイトルで始まっていました。その記事の詳細はこれ。おつまみの代表、亀田製菓の柿の種。通常は、少し口が辛くなってきたかなと思ったころに出会うピーナッツ。これが今、異変が起きているんです。通常の柿の種は柿の種とピーナッツの割合が6対4。この比率を3対7に変え、ピーナッツたっぷりの柿の種を発売したところ、バカ売れ。もともとピーナッツ好きの人にしてみれば、ピーナッツが少ないことが不満だった。そこをヒントに逆手に仕掛けてみたら大当たりしたという。また、駅弁で有名な崎陽軒のシウマイ弁当。通常はシウマイの脇にちょこっと入っている筍(たけのこ)煮が隠れた人気おかずであった。この筍煮を通常の4倍量を入れて販売したところ、限定1000個があっという間に完売。こちらも黄金比率を変えてみた好例です。
この2例に共通するのは、両社ともに昔から続く看板商品であることです。看板商品がゆえに“そのまま”で売れる・・・という認識しかないもの。まず、従業員に「売れている看板商品の内容を変更することはありえない」との意識が蔓延。やる前からそんなのムリと反発が多かったようだ。また、製造工程を変えるのはとても大変、作業も面倒。第一、黄金比率を変えて売上が落ちたらどうする?と批判的な意見が多かったそう。ただし、ここで気づき考えたのは、この看板商品の発売は〇十年も前。売れ続けているのはその世代にやみつきになった人がいるから。と、言うことは、この売上が永遠に続くはずがない。今の世代の人たちの嗜好は変わってきています。狙いを定めたのは20~30代。その世代にこれが成功したのです。
また、1.5足で1セットの靴下。つまり3足入り。この靴下のかかとの部分にはそれぞれ違う文字がデザインされていて、その日の気分で好きな組み合わせを楽しむことができる。もちろん1足すたれてきても大丈夫。この固定概念をくつがえすことでヒット商品につながったというわけだ。
これらはすべて、時代の変化を敏感に読み取り、そして時代の変化にいち早く気づき、さらに素早く行動する!これは、自分自身をも変えれる人だけが生き残ることができるということなのです。この感覚、そして感性を身につけ、ぜひ、自分の黄金比率を変えてみてください!
2018年2月15日 太田 秀和