口に出す言葉
「疲れた…」は、誰しも言いそうになってしまう口ぐせですが、「疲れた」という言葉の威力は自分が思っている以上に”負”が大きく注意するべきです。”負”の言葉が脳に「疲れている」と指令を出し自律神経の働きが乱れ、結果、ますます体は疲れ、重くなってしまいます。「疲れた」状態は、よどみ、まだらになった茶色や黒など、濁った暗い色を創造します。「疲れた」と口に出すと、その濁った暗い色がそのまま表情に出てしまいます。すなわち、顔色は悪くなり、表情はよどみ、しわが寄ってしまうのです。「疲れた」を「お疲れ様」という言葉に替えるだけで、身体に与える影響はがらりと変わります。自分に「お疲れ様、よく頑張った!」と言う励ます言葉を選べば、自然と活力が湧いてきます。言葉は自分自身のパフォーマンスを創るということなのです。
また、ポジティブな人は忙しいというネガティブな言葉を口にすると、それだけでパフォーマンスが下がることを知っています。従って、意識的に常に活発に動いていて毎日を充実させています。たとえ忙しい状態であっても、そういう人からネガティブな言葉は出てきません。なぜなら、「忙しい」と口にすると、その言葉が自分の耳から入り、脳が「今自分は忙しい状態なのだ」と認識して、仕事の質が下がり効率が悪くなることを理解しているからです。
更に言葉には、それを現実化するパワーがあります。「できない」という否定の言葉を使えば本当にできなくなってしまい、反対に「できます!」「やってみます!」「挑戦してみます!」に言い換えた瞬間に「チャンス」が巡ってくるのです。人は新しいことに挑戦するときには大きな不安やストレスを覚え億劫になるものです。しかし、一歩踏み出してみないことには何も変わりません。ほんの少しの努力でも前進することが大切なのです。「できない」の一言で遮ってしまうのではなく、「できます!」「やってみます!」などのプラスの言葉で自分の背中を押せば、今見えてない世界やチャンスが広がります。
何も良いことがない、うまくいかないと感じる人は「ネガティブな口ぐせ」に原因があるようです。自分の口ぐせを意識し、前向きな言葉に置き替えることが、現状を打破するきっかけになるかもしれません。「病は気から」と言います。これは「病気は“気”の持ちようによって良くも悪くもなる」という意味のことわざです。「気」とは、古来中国の漢方医学の考え方から引用されたものですが「気持ち・やる気」などという自分自身の中に潜む“悪玉”と“善玉”との戦いなのでしょう。善玉からの言葉は自分も周囲も明るくします。善玉から湧き出る言葉で今を頑張って行きましょう!
2021年5月14日 太田 秀和