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社長メッセージ

“差”ではなく“違い”で売る

ホンダの二代目社長の河島喜好さんは、「差でなく違いを生かせ!」とよく言っていたと言います。河島さんは、「人間だって身長が低いからといって高くしようとしても限界がある。企業だって規模が小さいことを嘆いても仕方がない。身長が低いとか企業の規模が小さいと嘆いたところで、その差を埋めるのはむずかしい。しかし、差を埋めるのではなく、違いを出すことは人間の努力でできるはずだ」と話していたそうです。

この“差”と“違い”を考えてみます。「差」とは、順位や、規模や、得点など、ほとんどが数量的な差です。したがって「差」とは縮まるか、広がるかしかない。もし、一時的に差をつけたとしても、他に実力のある人は必ずいるもの。つまり差をつけたと思っていても、いつかは無くなってしまうのが“差”なのです。差を求めるあまり、結局何も残らない、という危険が潜んでいます。

一方、「違い」とは、良い点、悪い点、あるいは特徴や長所など、他(人)と異なっている点であり、それは数量では計りにくい。人は、たいてい誰かと比べて生きています。そして、比べる時は、ほとんどが数量的。あの人の方が私よりお金持ちだ、私より成績が良いというふうに…。しかし、人の特徴や、個性などの特殊性については他人と比べようがないもの。だからこそ企業においては、この他社との「違い」が生き残るための最大の武器となるのです。飲食店でいえば、どんなに無名であろうが、遠方であろうが、グルメや美食を求め自分が食べたい料理は食べに行くというミシュランのようなもの。“違い”を魅力にした地位を築けば他店との圧倒的な強さを備えることができるのです。

重要なのは、人から好かれる「違い」を作り出すこと。それが自分やお店の強みとなります。仕事ができるかできないか、成長するかしないかは、能力の差ではなく、考え方や気持ちの持ち方の違いから始まります。考え方の違いによって大きな差が生まれるものとして「自責思考」と「他責思考」があります。何か起こった時に人のせいにするか、それとも自分も悪いところがあったと考え、次から行動を改めようと自分で改善できる能力があるかどうか、ということです。良い上司や同僚に恵まれていないと愚痴をこぼすか、それとも自分の能力をアピールするチャンスと捉えることができるか。周囲の否定ではなく、自分にできることは何か、自分にチャンスはないかと考えられるか。同じことに対しても考え方の違いで大きな差が生まれるのです。

結局、“他人が真似すのことのできない何か”を創造できることが自分の「違い」なのです。

2023年5月15日太田 秀和

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