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社長メッセージ

最強のフロー状態

3月に行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)での日本チーム優勝には、日本中が一体となって本当に興奮させられた。これぞ、本当に観る価値のある世界大会であったと思う。

WBCでは数多くの名場面を残してくれたが、その一つである準決勝の対メキシコ戦の逆転劇には最高に興奮した人が多かった。九回裏、5-4で日本は負けていた。もうこれまでか…と頭をよぎりもしたが、その後の展開はご存じの通り、9回先頭打者大谷の二塁打から始まり、吉田の四球(その後代走周東)、そして極めつきは村上のセンターオーバーのツーベースで一気にランナー二人が帰るという球史に残る逆転劇となったわけです。

あの緊迫した大舞台で本来の力を発揮するのは、当然のことながらとても難しいものです。このことについて新聞に興味深い記事が載っていましたので紹介します。今回のような僅差での試合の終盤に競技する選手の成績を調べた研究結果があるそうです。通常、人は緊迫した場面では本来の力を発揮できなくなるといいます。例えばバスケットボールの神様と言われたマイケル・ジョーダンでさえも、拮抗する試合でのシュートの得点率は落ちていたそうです。

そんな通説を打ち砕くようなことが今回のWBCでの日本選手たちの活躍で世界中に教えてくれたのです。この状態を「フロー状態」といいます。これは心理学の言葉です。例として、芸術などの創作活動、または好きなゲームに夢中になると、食べ物や水、睡眠でさえ必要としない状態が挙げられます。また、仕事に没頭し集中した状態から流れるように作業や課題を進めるベストな状態のことを指します。

つまり、フロー状態とは、行動(活動)している人が、充実感をもって集中している精神状態を指します。遊び、仕事、勉強に関わらず、「1日があっという間に終わってしまった!」というような感覚はフロー状態に入っているのです。特にアスリートの世界では今回のように「負けで迎えた九回裏の最後の攻撃」「強豪チーム VS 強豪チームの優勝争い」「ワールドカップのロスタイムで0対0、1点入れば試合が決まる」といった緊迫した状態でフロー状態に入れば、底力が発揮されるというわけです。

さらにフローには「長時間没頭する状態=ディープフロー」と「短時間に起こるフロー状態=マイクロフロー」があります。長時間没頭することはなかなかできないと思いますので、短い時間で、例えば好きな歌を口ずさんでいる時、楽しくLINEの返事を打っている時、超特価セールに遭遇した時など、浅く、短い時間にマイクロフローは起きているのです。

接客や調理に没頭し夢中に仕事している時間はマイクロフローで最高に楽しい状態といえるでしょう。

2023年4月14日太田 秀和

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