1. HOME
  2. お知らせ
  3. 顧客にとっての価値は何か

NEWS

お知らせ

社長メッセージ

顧客にとっての価値は何か

マネジメントの父として有名なドラッカーという人の本は経営の哲学として世界中の多くの経営者の方々に愛読されています。この方、ドラッカーの研究の中に、「顧客にとっての価値」というとても重要な記述がありますので、今回は要約してお伝えしたいと思います。

顧客はみな合理的であることが前提

ドラッカーは「顧客はみな合理的である」ことを前提にせよと言っています。ここでいう「合理的」とは、「それぞれの内部においてはつじつまが合っている」という意味で、そうした観点においては、いかに不合理に見える顧客の行動も、首尾一貫した内的合理性を持つといえます。それらはあくまでも顧客の内面で進行することで、第三者が見て簡単にわかりません。「私は顧客をよく知っている」などと自惚れて安易に答えを想像する姿勢は、ドラッカーは強く批判しています。

「顧客を知らない」からスタートすべき

「自分は顧客を知らない」からスタートすべきである。知らないのならば「教えてください」と素直に言えるか?「顧客にとっての価値は何か」を知るための最も確実な方法は、顧客に答えを直接聞くことであるとしています。ドラッカー自身も大学教授やコンサルタントとして、自らの顧客に対して「聞くこと」を実践して、教えてくださいという姿勢から生の声を得たそうです。

プロでありながら非プロの目線を

ドラッカーはこれが際立って重要であるとしています。自らは顧客を知っているという人も、それはあくまでも「提供する側の目線」から顧客を知っているだけ。「顧客の目線」を獲得するというのは、例えるなら演奏家が演奏しながら観客の目線を持つのと同様に難しいと言っています。「プロでありながら、非プロの目線を持て」という、ある面で矛盾した要請だから難しいと。もう一つ大切なのは、「顧客それぞれは、まったく異なる目線で組織を見ている」ということが事実であると。例えば、学校であれば、教育委員会、現場の先生、父母会、市民などパートナーとしての顧客は、それぞれが見たいように学校を見ている。価値観もばらばらであるとしています。これほどまでに難しい問いであるがゆえに「顧客にとっての価値を知るには、顧客に耳を傾けよ」というのがドラッカーの一貫した言葉であるのです。

表現が難しいのですが、要はすべて「顧客に、相手に、寄り添って物事を見る」ということ、と私は考えます。こうやって「価値」を考えること自体がとても大切なことなのです。

2023年3月14日太田 秀和

最新記事