イチロー“そぎ落としの美学”
8月21日、ヤンキースのイチローが日米通算4千本安打を達成した。入団22年目の偉業に心から祝福を贈りたい。100年を超える大リーグの歴史をみても4千本安打の達成者は4256安打のピート・ローズと4191安打のタイ・カップの2人しかいない。日本のプロ野球記録は張本勲の3085安打。イチローの4千本の内訳は日本で1278本、大リーグで2722本である。今年で40歳になるイチロー選手だが、年齢のことは全く気にしていない。それどころか、肉体的にも精神的にも日々進化しているとさえ感じられる。イチローは自分を変化させることにはとても敏感なのだ。その変化を日々実感し、常に修正し、高いモチベーションを持続させ続けることができる真のアスリートなのである。“もっともっとうまくなりたい”と言う単純な飽くなき欲求が彼を支えている。この誰にも負けることのない向上心こそが、毎日繰り返す単調なトレーニングを持続させ4千本安打という金字塔を打ち立てたのである。さらにイチローの究極に卓越したところを挙げると、
「前進するだけではなく、後退することも一つの進化と捉えて改善していること」
たとえば凡打したとき、その内容を振り返り次の打席へのヒントがあるのではないか?と考える。またスランプに陥った時は逆に“チャンス!”と捉える。
「失敗の中には必ず成功への可能性が含まれている。」とイチロー。逆境にいるとき、そこから何かを探し出そうとする姿勢がイチローを成功に導いているのだ。
またイチローは無駄なものを徹底的にそぎ落とす。たとえばイチローは普通より細いバットを使用している。常識的に考えれば、太いバットのほうがボールに当たる確率が高くなるから、みんな太いバットを選ぶ。ところがイチローはバットの芯に当てるバッティングをするために、あえて細いバットを使う。それは「面と点」との違いだ。太いバットを使い広い面で捉えるような、どこかに当たればいいや的な2流の発想は全く無い。細いバットを使うことによりバットの芯に当てることだけを考え、あえてすべてを「そぎ落とす」。そこにあるのは「そぎ落としの美学」なのである。人はこの成長しようとするとき、普通の人はそこに何かを付け加えようとするが、イチローの思考は全く逆で、可能な限りすべての無駄を省こうとする。この考え方こそが4千本の偉業へと導いているのだ。
ふと思う・・・。本来、仕事とはそういうものではなかろうか?
今の自分にあてはめて、気を引き締め直すといいだろう。
朝夕肌寒くなり、すっかり秋めいてきました。美食の秋!外食の秋です!
体調管理は万全に!今日も頑張りましょう!
2013年9月13日 太田 秀和