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お知らせ

社長メッセージ

自ら考える教育

夏の全国高校野球で107年ぶりの日本一に輝いた神奈川の慶応高校。歴史をつなぐ快進撃を支えたのは代々受け継がれる心の底から野球を楽しむチームのモットーでした。その秘密は監督である森林さんが考える従来の常識にとらわれない教育方針にありました。今月は森林監督の言葉から引用しながら解説し学びます。

「自分を客観視できれば社会で通用する」

社会で活躍できる人の共通点として挙げられるのは、自分を客観視できること!と考えておられます。自分なりのアイデアを持ち、自分自身の強みを知り、それを伸ばす努力ができる人は、社会に出てどんな仕事に就こうとも通用します。これからの社会は多様性が重視され、人それぞれ追求する幸せが違う時代になっていきます。お金、家庭、仕事のやりがい……。多様な価値観の中で、何が自分を幸福にさせるかを分かっていないと、本当の幸せはつかめません。大学受験や就職活動、人生の転機となる場面で、それはより顕著に表れます。人生における自分なりの物差しを持つ準備をする。それはつまり、考える力が自然と身に付くことや、人生の選択肢が増えることにつながります。特に感じるのは一人の無力さ、そしてチームで協力し、調和を取りながら物事を進めていくことの大切さです。監督業に置き換えても、細かいところまですべて一人でコーチングできるわけではありません。部長や副部長、学生コーチと連携して初めて、チームはうまく回っていく。組織全体で一つのことを成し遂げていくという感覚がなければ、スムーズには進行していかないのです。また当然のことながら、そのうえで個人個人が役割を果たすことも大切です。

「究極はノーサイン」

野球は毎球のセットプレーで、ベンチからサインを出したほうが有効なスポーツと言えます。そのサインに対する選手の受け取り方が問題。例えば盗塁サインの場合、指示が出てから「その指示に従って走ります」と思うだけの選手と、「そろそろ盗塁のサインが出るはず!」と先読みし、行動する選手では、後者のほうが断然主体的にゲームを考えていることは明白です。このような無言の会話が常に行われるチームが理想で究極はノーサイン。将来、自らの力で道を切り拓いていかなければいけないのですから、そのための準備を可能な限りしてあげることも指導者の役割だと考えている、ということが森林監督にとっての真髄です。

私は「教育はその環境と仕組み」と考えます。そして「やりがいや喜びを感じてもらうこと!」が真の教育ではないかと思います。

2023年11月15日太田 秀和

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