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お知らせ

社長メッセージ

<空に供える花火>

例年であれば、この時期に日本各地で花火大会が開かれ、美しい花火が日本の夏の夜空に彩りを添えていたことでしょう。今年は特別な夏、、、仕方ないですね。
この花火、実はお盆と関係があるのを知っていますか?京都の「大文字焼き」、お盆の送り火としておこなわれていることはよく知られていますが、花火も死者への鎮魂、お盆の迎え火・送り火としての意味があるそうです。たとえば日本有数の花火大会である隅田川花火大会。江戸時代、病気や凶作、飢饉で多数の死者が出ていたのを憂い、時の将軍吉宗が隅田川の水神祭りで大きな花火を披露し、死者の御霊を慰め悪疫退散を祈ったのが始まりだといわれています。さらに関東大震災・東京大空襲という二つの大きな火に包まれ、多くの命が失われた隅田川。そこで毎年行われる花火は故人の霊を慰める大切な花火なのです。このように日本の花火には、亡くなった方を偲ぶ想い、鎮魂の祈りが込められており、花火大会はご先祖の供養として7月8月のお盆の時期に行われることが多いというわけです。夜空に供える大輪の花火、ご先祖さまのお陰で私たちの幸せがあるのです。

それにしても、コロナ禍ですべての常識が見事なくらいに変わりました。飲食に限って、専門家の方々が言うには“食事に集中して黙って食べる”そして食事以外はマスクを着用、、、とのことです。飲食従事者としては「なんだかなぁ~」という感じです。

禅の言葉に、

「逢茶喫茶(ほうさきっさ)逢飯喫飯(ほうはんきっぱん)」 ――ごはんのときはごはんを無心にいただこう――

という言葉があります。

お茶が出たらお茶を飲み、ごはんが出たらごはんを食べるということです。
先述の専門家の言葉で思い出しました。しかし、実はこの言葉の真意は違うところにあるのです。

お茶が出たら、「コーヒーがよかったな」とつい思ったり、食事のときに新聞や雑誌を読みながら、テレビを観ながらごはんを食べる人も多いでしょう。
この禅語が意味するのは、

『より好みなどせず、縁にしたがい、目の前のことに素直に集中するということ。』

澄んだ心で、何ごとにも自然に当たり前に対処すること。「喫す」という語で、人生の受け止め方をさりげなく教える言葉なのです。実際、食事のとき、色とりどりのおかずを目で味わい、ごはんの湯気にふれ、料理をつくった人に感謝しながらよく味わって食せば、おいしさも倍加します。食べる喜びに集中すると、食材を育てた人たちや大地への感謝の念も自然と生まれてくるものです。そこには食べている仲間との会話がとても貴重なスパイスになっていると思うのですが、、、。
そんな日常が一日も早く戻ってくれることを切に願うばかりです。

連日、暑い日が続きますが、体調管理に注意して頑張りましょう! 
2020年8月14日 太田 秀和

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