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オリンピックの舞台裏~秘話~

ソチオリンピック・クロスカントリー男子スプリント競技で、ロシア代表のアントン・ガファロフ選手がレース中に転倒。スキー板が折れてしまうハプニングが起こった。ガファロフ選手はそれでも立ち上がり 、何度も何度も前に進もうとするが、その度にスキー板の破損を悪化させ、終いには木っ端微塵となった・・・。もはやどうすることも出来ない状況の中、一人のカナダコーチが1本のスキー板を持ってコース内に飛び出し、ロシア選手にスキー板を手渡し交換した。ガファロフ選手は競技を再開し、みんなとは大きく遅れたものの、無事にゴールすることができた。同じチームの選手ではなく、競技では敵チームとなるはずなのに、そのカナダコーチは迷わずスキー板を差し出したのだという。

カナダコーチへのインタビューで「見ていることができなかった。ロシア代表のガファロフ選手に母国で恥をかかせたくない一心だった」と思いを語ったのだという。

なんて暖かい話なんだろうと。が・・・話はこれで終わりではなかった。

実はこのカナダコーチの妻はトリノ五輪のスキー女子団体スプリントのチーム員だったそう。その妻のチームメイトがトリノ五輪スキー女子団体スプリントの決勝戦でストックが折れてしまうというハプニングが起こったのだそうだ。メダルのかかっている決勝戦。そんな中起こったハプニングによってメダルは絶望的と思われたが、その中でまさかの事態が!なんと決勝戦に出ているノルウェーのコーチがコースに飛び出て、カナダチームに新しいストックを渡したのだという。これで驚くのは早く・・・実はストックが折れていた時にカナダは4位まで後退し、メダルの届かない順位にいた。そして自分のチームのノルウェーはカナダよりも前におりメダル圏内だったそう。このまま放っておけば強いカナダは順位を落とし、自国のチームがメダルを獲得するという状況下でストックを手渡したのである。その結果、カナダチームは順位を上げ、銀メダルを獲得。反面、自国のノルウェーチームは4位となりメダルを逃すこととなった。

この勇気ある行動が、カナダ・ノルウェー両国で話題騒然となり、批判等をするのではなく、このコーチを讃えたのである。このトリノ五輪の恩、優しさ、五輪マークの示す「他国との輪」という本当の意味の大会を行うために、ソチ五輪でカナダコーチは飛び込んだのだという。 本当に暖かいスポーツマンシップにのっとった話である。これらの秘話は金メダル以上に値するものだと思う。こういった精神があらゆるところで必要なことなんだと痛感した。皆さんはどう感じただろうか?

2014年3月15日 太田 秀和

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