1. HOME
  2. お知らせ
  3. オリンピックが残した宝物

NEWS

お知らせ

社長メッセージ

オリンピックが残した宝物

東京オリンピック・パラリンピックが幕を閉じました。コロナ禍で世の中が疲弊している中、連日私たちに希望を与えてくれました。代表選手の人たちは通常でも高いメンタルが必要なのに、コロナという見えない敵とも戦わなければならず、肉体的にも精神的にも想像を絶する苦労があったかと思います。誰もが大会の厳しい場面を想定し、試行錯誤して準備してきたはずの本番。そうした選手の姿はメンタルヘルスの視点から三つの力があるようです。

第一に『モチベーションの維持』。楽しさよりも苦しさを感じる時間が長いであろう練習をどうやって継続するのか。青山学院大学を駅伝の強豪に育てた原監督は自分の位置を理解するのを大切にしていると言っています。心理学者のアルフレッド・アドラーも『できない自分を責めるより、今の自分を認める勇気が重要』と指摘しています。できていないことだけでなく、できていることも把握する。これがモチベーションを保つうえで重要なのだということです。

第二に『呼吸』。緊張する場面では呼吸も鼓動も速くなる。自律神経の働きによるもので、これから起きることに備え体中の筋肉に酸素の多い血液を巡らせての準備です。アスリートはここぞという場面で呼吸を整える。意識して呼吸することで自律神経が少し勘違いしたような格好になり、過緊張から適度な緊張状態に移行する。結果として、積み重ねてきた練習の成果が発揮できるという仕組みだそうです。そういえば、鬼滅の刃でも鬼に対抗するために鬼殺隊の隊士が習得している戦術が「全集中の呼吸」という特別な呼吸法がありますね。『呼吸を制する者は勝負を制す』と言います。ぜひ、意識したいものです。

第三に『信じる力』。人間の力を10とすると、その8割は予想しない偶発的なことによって導かれると説いた学者がいます。ここでいう偶発とは、ただの偶然ではなく「好奇心、持続性、楽観性、柔軟性、冒険心」の5つが備わったときに起こる不思議な力のことのようです。

東京での五輪。感染状況が悪化する中で多くの選手たちが発したメッセージから私たちは何を受け取り、どう行動し、どう変えていくのか?この大会が残した数多くの財産を生かさなければなりません。「失ったものを数えるな。残された機能を最大限に生かそう」はパラリンピックの理念であります。パラカヌー代表選手の瀬立モニカさんの言葉が印象的です。それは落ち込んでいるとき、お母さんからの言葉「笑顔は副作用のない薬」だよと。今思えばコロナ禍だからこそ、開催意義があったのかもしれません。

2021年9月15日太田 秀和

最新記事