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社長メッセージ

東京オリンピックの舞台裏

開催自体の是非が直前まで騒がれていた東京オリンピック。いざ始まればテレビ中継にかじりつく人が続出で、日本中、世界中が盛り上がりました。やはり、トップアスリートの姿を見て感動をもらい、そして応援する気持ちというのはとても清々しいですね。

7月23日、日本で開催される開会式は一生の記憶に残る場面になると思い、最初から最後まですっかり見入っていました。夜空に立体的な「地球」を描いたのは、なんと1824台ものドローン(小型無人機)。五輪のエンブレムを形作り、そして地球の形へと移り、これがドローンで演出されているとは…、まさに圧巻の映像でした。“五輪から平和の象徴である地球へ”とのメッセージだそうです。これを手掛けたのは半導体大手インテルでした。

また、音響設備や照明はパナソニックが手掛け、中でもプロジェクターは1台4000万円以上する装置を会場の4方向に60台も設置されていたようです。開会式本番での鮮やかな赤い光は体の中の神経や筋肉を表現し、コロナ禍のアスリートたちの心の葛藤を全世界に届ける想いが込められていました。

さらに、オリンピック聖火台の燃料を提供しているのが石油元売り最大手のエネオス。エネオスは1964年の東京オリンピックでも聖火の燃料を提供していたそうで、そのとき提供したのが化石燃料であるLPガス。57年後の今回は、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーとして史上初めて水素が聖火の燃料に採用され、福島・浪江町で太陽光発電によって作られた水素を東京まで運ばれ使われています。これは再生エネ電力を使い、水を電気分解して発生させた「グリーン水素」で、製造時にも二酸化炭素は出ないそう。そして聖火だけでなく水素で動く燃料電池車トヨタ「MIRAI」が使われるなど東京オリンピックは二酸化炭素排出量、実質ゼロを目指した環境重視の大会だったのです。トーチに使うアルミニウム製造はリクシルLIXIL。アルミをリサイクルして窓サッシを製造。しかも素材の3割は東日本大震災の被災者が暮らした仮設住宅の窓サッシを再利用だそうです。もちろんトーチ本体も日本の会社。

まだまだ多くの企業がこの大会に携わっていて、オリンピックは「企業の技術や製品を世界に発信する場」として、未来に向けた“技術の宝の山”の発表会でありました。そこには共通してスポーツを通じた「平和でより良い世界の構築」という意義が存在しています。こうやって舞台裏を知っていくと、オリンピックを開催しない、、、という選択肢は見当たるはずが無かったのでしょう。

コロナ禍でも開催された意義は、私たちの想像以上に大きく、未来への扉であったのだと痛感しました。

2021年8月13日太田 秀和

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