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再び「ポッキー」急成長の理由

年間で約3000もの新商品が誕生し、そのほとんどが1年以内に消えていくと言われているお菓子業界――。今年で50周年を迎えた超ロングセラー商品が江崎グリコのチョコレート菓子「ポッキー」。同社の看板商品であり、日本を代表する菓子と言える。しかし、近年は売り上げ横ばい。そうした中、売り上げを5年で50億円も伸ばしたという理由に迫ってみる。ポッキーが抱えていた課題は、年間で1~2回ほどしか購入しない“ライトユーザー”の購入頻度をいかにして上げるかということ。国内でのポッキーの認知率は90%以上。ほとんどの人が一度は食べたことがあるが、「最近は食べない」人が増えている、ということが同社の調査で分かっていた。そのライトユーザーに日常的に食べてもらうためにプロモーション活動を通じてユーザーとの接点を増やすことを考えた。「ポッキーを食べるシーンを提案してあげる。『こんなときにポッキーを食べるといいですよ』という感じで。」

 まず、4~5月は「春のお出かけキャンペーン」を実施。旅行をする人に対して、旅のお供としてポッキーを食べてもらおうという企画。6~7月は夏季限定商品を発売し「ポッキーを冷やして食べて触感や音を楽しもう」というメッセージを発信。9月は新作をPRし、11月11日には「ポッキーの日」を展開する。2月の「バレンタイン」キャンペーンでは、商品名を改名。義理用「Giricky」、友チョコ用「Tomocky」、告白用「Sukky」など10種類以上販売。これが話題となり、大きく売り上げを伸ばした。また、ポッキーは若い人だけが食べるものというイメージを変えるため、1箱500円の高級版ポッキー「バトンドール」を販売。これも大人気となった。他にも、ウイスキーと一緒に楽しむ「ポッキー〈大人の琥珀〉」。4日で完売となり話題を集めた。こうした取り組みの積み重ねによって、幅広い層のユーザーを獲得することに成功し、ポッキーはたった5年で50億円も売り上げを伸ばしていったのだ。

ポッキー担当チームは「結果を出せたのは、チームの雰囲気が良かったから」「仕事には困難がつきものだが、メンバー同士で言いたいことが言えないチームや、困っているメンバーに声をかけないようなチームでは課題は突破できない。誰かが結果を出したら皆で喜び合える一体感が何よりも大切です。」と振り返っている。

1)食べるシーンを提供し、行動をデザインする。売り方を変え、見せ方を変え、消費者の行動をデザインするという演出を添えて提案する。角度を変えたセールスの方法は我々にも生かせるところが多いと感じます。皆さんいかがでしょうか?

2)雰囲気の良いチームが結果を出す。やはり“チーム力”に尽きます。本当の“チーム”にならないと楽しくありませんからね。

2018年11月15日 太田 秀和

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