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社長メッセージ

天才 勝っておごらず!

中学生棋士 藤井聡太四段。ご存知の通り、プロデビューからわずか半年余りで前代未聞の公式戦29連勝の快挙を達成した将棋界のニューヒーローだ。30年間誰も破ることのできなかった28連勝の歴史を塗り替えた天才棋士である。テレビでもよく目にしたが、攻めの局面での前傾姿勢で将棋盤をにらみ集中力を絶やさない闘志がとても印象的だった。一方、勝利後のコメントで14歳とは思えない「望外」や「僥倖(ぎょうこう)」といった古風な言葉遣いにとても感心した。

<意味>※望外=望んでいた以上に良い結果。※僥倖=思いがけない幸運。

~インタビュー記事より~

「実力からすれば望外の結果なので素直にうれしい」(11連勝時)、

「僥倖(ぎょうこう)としか言いようがない」(20連勝時)

絶対に使わないであろう言葉の言い回しである。藤井四段が5歳から通った将棋教室入会時に480ページもある将棋の教科書を、わずかまだ幼稚園児で字が読めないのに1年で会得してしまった、というエピソードがあるらしい。まさに天才!29連勝時の新聞の見出しに大きく「天才 勝っておごらず」と書かれていた。対局後の無数のフラッシュを浴びながら、決しておごること無く、強さを誇示せず、とても謙虚に語る藤井四段の姿勢、それと天才を掛け合わせたこの人物に多くの人が興味を惹かれ共感したのは、彼のとても美しい「姿」にだと思います。

また、将棋界では棋士の才能について羽生善治三冠が次のように言っています。「以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。直感でどういう手が浮かぶとか、ある手をぱっと切り捨てることができるとか、確かに個人の能力に差はある。しかし、そういうことより、継続できる情熱を持てる人のほうが、長い目で見ると伸びるのだ」(決断力より)さらに、渡辺明竜王も次のように言い切っています。「では、才能とは何か。/熱意こそ、才能である。/将棋で言えば、将棋の研究に時間をかけられる熱意こそ、才能である」(勝負心より)才能をめぐる分析は多々あるが、結局、与えられた環境と、その環境の中で熱意をいかに長く維持できるかに、すべての成功の鍵はあると思う。努力し続けられる情熱こそが「才能」だと、将棋界で頂点を極めた棋士たちは考えているのです。もちろん、情熱だけでは届かない領域はあるのでしょうけど、綺羅星のごとき才能が集まる場所で、そのなかで向上心を持ち続けられる人しか、生き残れない実力界なのです。

2017年10月13日 太田 秀和

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