松井秀喜の美学!
昨年暮れに現役引退を表明した松井秀喜。言わずと知れた名選手。私も星陵高校時代からずっと見てきただけにとても残念ではあるが、記者会見の席上でのコメントが一言一言、とても心に沁みた。その中でもハッとさせられた言葉がいくつもある。
「20年間続けた命懸けのプレーが終わりを迎えた。」
松井のこの言葉を聞いた時、びっくりしたと同時に“これぞ本物のプロだ!”と感じた。命懸けで20年間仕事を貫いていたのか・・・と思うと、ずっとこの言葉が頭から離れず、感慨深いものがありとても印象的であった。
「常に意識していたのはチームが勝つこと。」
首位打者・本塁打王・打点王など、タイトルを数多く残した松井だが、自分個人の成績にはあまり執着していなかったようだ。通算507本塁打を放った感想を記者から問われると、次のように丁寧に答えていた。
「本塁打は確かに僕の魅力の一つだったと思うが、常にチームが勝つために、自分はどうしたらいいのか?そのために何をするのか?ということを一番大きく考えていた。」
これぞ正しくプロの仕事。この精神こそが『松井秀喜の美学』なのだろう。
「努力の天才。人前で努力を見せない、隠れて努力するのがプロじゃないかと思う」と高校時代の恩師は評していた。長嶋茂雄も「人には努力している姿を見せず、陰で努力するタイプ」と評されている。野球人としてこの2人の姿勢は共通していた。自らの『ふところ』に入れない長嶋氏が熱意を持って育てた松井選手。同じ価値観を共有していたからこそ、2人とも“本物のプロ”としての仕事ができたのだろう。2013年、自分なりに“本物のプロとしてのの仕事”を探ってみたらどうだろう。
『良い一年になりますように!』
2013年1月15日 太田 秀和