1. HOME
  2. お知らせ
  3. 美味しい料理とおもてなし③

NEWS

お知らせ

社長メッセージ

美味しい料理とおもてなし③

アメリカでの研修で辛かったことが一つあった。それは夜9時からの研修レポート作成であった。もちろん、仕事で行ったのだから当然である。夕食を終えてホテルに帰ると毎晩レポートの作成に追われた。レポート用紙5枚位の提出だったと思う。終わる頃には連日深夜12時をまわっていた。これでは遊ぶ暇が一時も無い。せっかくアメリカにきたのだから・・・。私は同僚3人と作戦を考えた。「今夜、どこか遊びに行くぞ!」「レポートは研修の合間にすべて終わらせること!」その日3人は休憩時間も無くひたすらレポート作成に集中した。夜9時、研修を終え解散になった。「ホテルからの外出は一切禁止!」ダウンタウン近くのホテルの周りは薄暗く危険な香りがしていた。冒険心旺盛な我々は予定通りレポートを先に終わらせ、ホテルを抜け出した。私には行きたいレストランがあった。それは本場の「デニーズ」であった。脱サラしてこの業界に入るきっかけとなったのが東京のデニーズで食べたフレンチトーストであった。本場アメリカで是非食べてみたい!その思いが研修規則を破ってまで行動させた。タクシーに乗り込みデニーズに行った。店内は沢山のお客さんで活気に満ちていた。日本人の男3人・・・かなり浮いていた。ホール係りの女性がビックスマイルでやってきた。「どこから来たの?」「日本から?」「お腹空いている?」「ここのサーロインステーキ最高よ!」「フレンチトーストありますか?」「朝食にあるわよ。」「食べたいの?」「OK!頼んであげるわ。」なんとも快くメニューに無い注文を受けてくれた。大きなプレートにフレンチトーストがどっさりのってホール係の女性が運んできた。「アメリカでは朝食に食べるけど気にしなくていいよ!」「私も好きなものはいつでも食べたいから・・・」味はよく覚えていないが、彼女のその心遣いがとても嬉しかった。「隣でバースデーが始まるよ!」スタッフ全員、厨房からもみんな客席に集まってバースデーのお祝いが始まった。みんな体を大きく動かし歌い始めた。お客さんもみんな自然に参加しだした。お店中が一体となって、まるで映画のワンシーンのように・・・ショータイムのように・・・その光景がとてもキレイで美しく感動的だった。「ゲストの喜びは自分の喜び」「だからこの仕事が楽しいの!」ホール係りの女性が一段と輝いて見えた。この国は凄い。サービスは教えるものではない。“サービスは生まれるもの!生むもの!”日本でやっていることがとても小さく思えてきた。ドキドキの不謹慎な深夜の冒険は“感動”の体験で終わった。“Let’s enjoy!”玄関で大きく手を振って見送ってくれた彼女の笑顔がいまでも忘れることはない。   

2009年4月15日太田 秀和

最新記事