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社長メッセージ

美味しい料理とおもてなし

1997年6月、私はロサンゼルスにいました。本場アメリカのホスピタリィサービスを学ぶため1週間レストランに入り込みました。初日、まずは店内ツアー。気さくな女性店長が店舗を案内してくれました。慣れない英語に戸惑いながらも、店長の説明に耳を傾けていました。すぐに驚いたことは、すれ違うスタッフ・厨房・ホール全員が笑顔でとても気持ち良く挨拶をしてくれたことです。何でも質問する私は「なぜ、みんなこんなにも笑顔で働いているのですか?」と店長に尋ねました。「それはみんなこの仕事が好きだから。そして何よりも仲間を大切にしているから・・・」と。「笑顔は人を幸せにします。そして自分をも成長させます。我々はこれをビックスマイルと呼びます。」「ビックスマイルのない人はここには誰もいませんし、採用しません。」この店長の言葉、とても胸に沁みました。

ランチタイムが始まりユニフォームに着替えた私はホールに出されました。まだ何一つ教えてもらってないのに、いきなりオーダーを取ってこいと・・・。それは老夫婦でした。私にとても明るく話しかけ、「君の一番のおすすめ料理を持ってきておくれ!」と。内心とても戸惑いました。そんなこと今日来たばかりなのに分かるはずがありません。そこに店長がサッと近づいてきて「この方達は君が美味しいと感じておすすめした料理はどんな料理であっても、きっと美味しい。それはハートで感じるものだから・・・」私はハッとした。心のこもった“おもてなし”とはこのことなのか?その後のオーダー取りがとても楽しくて「レストランってこんなに楽しいところなのか」とあっという間に3日間が過ぎたのでした。

4日目、厨房をやってみなさいと。黒人や白人の料理人達がにこやかに私を迎えてくれた。この人達、オーダーがどんどん入ってきて見るからに忙しいはずなのに・・・「ほら!ポテト(のオーダー)が入ってきたよ。熱々で旨いやつ頼むよ!」「サラダはまだかい?」「君の作るサラダは最高に美味しいからな!」「ベーコンはどうだい?」「これ美味しそうに焼けたねぇ。サンキュー!」こんな会話をしながら本当に楽しんで料理を作っている。見ていてとても気分がいい厨房は初めてだった。

チーフが言った。「料理の作り方はこの本(マニュアル)に書いてある。でも今は必要ないよ。」「何が必要かって?」「(胸に手をあてて・・)それはハートだよ!」

2009年2月13日太田 秀和

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